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「格安SIM」という単語は聞いたことがあるけど、実際よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
最近ではテレビCMでもよく流れるため、とても身近な存在になってきています。
このページでは格安SIMの基本的な知識から、あなたに合った選び方までご紹介します。
疑問が解消したらあなたに合うプランを探しましょう!
格安SIMカード・MVNOって何?
SIMカード、格安SIMとは?
「SIMカード」とは、スマートフォン、タブレットなどの中に入っている小さいICカードのことです。
5G・4G・LTEといったモバイル回線を使ってインターネット通信や通話、SMS(ショートメッセージサービス)の送受信をするにはこのSIMカードが必要です。
SIMカードには契約者の識別番号や電話番号といった情報が記録されており、docomo、au、SoftBankなどのスマートフォンにも、はじめからSIMカードが入っています。
近年、さまざまな企業がSIMカードを使ったインターネットや通話のサービスを提供しています。
これら企業が提供しているSIMカードを使ったサービスは、docomo、au、SoftBankなどの大手携帯キャリアよりも安い料金でインターネットや音声通話機能が利用できるため、「格安SIM」と呼ばれています。
SIMカードが無いと通信や通話ができない
端末にSIMカードがセットされていないと、5G・4G・LTEといったモバイル回線を使ったインターネット通信や通話、SMSの送受信ができなくなります。
Wi-Fiでインターネット接続することで通信の必要なアプリやIP電話(LINE、Skype等)を利用することはできますが、SIMカードに記録されている電話番号を使う通話やSMS送受信は変わらず利用できません。
MVNOとは、格安SIMのサービスを提供している企業のことです
正確には「通信回線を自社で持たず、他社のインターネット・通話の回線を借りてサービスを提供している事業者」のことをMVNO、正式名称でMobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)と呼びます。
ですが殆どの場合で格安SIMカードを提供している企業のこと指しています。
OCN・BIGLOBEなどプロバイダとして有名な企業や、ビックカメラ・ヤマダ電機など家電量販店が、docomo、au、SoftBankなどの大手携帯キャリアから回線を借りて、MVNOとしてSIMカードのサービスを提供しています。
大手携帯キャリアとMVNOは何が違うの?
通信速度の安定性
MVNOは大手携帯キャリアの回線を借りてサービスを提供しています。
提供できる回線網が限られているため、利用者の多くなる時間帯では大手携帯キャリアより通信が混雑しやすい傾向にあり、速度に影響が出ることがあります。
価格
自社で回線を持っていないMVNOは基地局の維持や増強などの設備投資費がかかりません。
また、実店舗を持たないことによるコスト削減などもあり、大手携帯キャリアよりも半分~1/3くらいの料金で済む場合が多いです。
サポート体制
多くのMVNOが実店舗を持たなかったりオンラインによるサポートのみで対応しているため、大手携帯キャリアに比べてサポート体制で見劣りする部分があります。
ただ近年では店舗数を増やしたり家電量販店内に受付カウンターを設けるMVNOも増えてきており、対面でのサポート体制を拡充させつつあります。
キャリアメールの有無
MVNOはキャリアメール(「~@docomo.ne.jp」「~@ezweb.ne.jp」「~@softbank.ne.jp」など)の提供をしていないところがほとんどです。
そのためキャリアメールを利用していた場合、GmailやYahooメールなどのフリーメールで代用する必要があります。
SIMカードには複数のサイズと種類がある
同じSIMカードという名称でも形状や種類に違いがあり、端末や利用方法にあったものを選ぶ必要があります。
ここではSIMカードのサイズと種類についてご紹介します。
サイズは3つ
SIMカードは大きさによって「ナノSIM」「マイクロSIM」「標準SIM」の3つに分けられます。
また、それぞれのサイズに切り離して使うことができる全サイズ対応のSIMカード「マルチSIM」というのも存在します。
端末によって対応するサイズが異なりますので、どのサイズのSIMカードに対応しているのか確認しましょう。
種類は大きく2つ
SIMカードには「音声通話SIM」と「データ専用SIM」の大きく2種類があります。
また、データ専用SIMにはSMS(ショートメッセージサービス)機能を付けた「SMS付きデータ専用SIM」があります。
スマートフォンで通話もネットも使いたい方は「音声通話SIM」を選びましょう。
090・080・070番号の音声通話も利用でき、ほとんどのプランがMNP(番号そのままでのりかえ)に対応しているため、現在利用している電話番号をそのまま引き継げます。
タブレットやモバイルWi-Fiルーターで使うなど、ネットのみ利用したい方は「データ専用SIM」を選びましょう。
SMSは電話番号同士で短いメッセージが手軽に送受信できるもので、LINEを開始するときの認証処理はSMSの利用が便利です。音声通話SIMは、SMSに標準対応しています。
端末一体型のSIMカード「eSIM」
ここまでSIMカードの種類をご紹介してきましたが、新しいSIM規格として「eSIM」というものもあります。
eSIMとは、スマートフォンなどの端末自体にあらかじめ内蔵されたSIMです。
従来のSIMカードと同様に小さなチップなのですが、端末から抜き差しすることなく使用します。
インターネットで購入したSIMカードが届くのを待つことや、小さいチップを抜き差しする必要がありません。
通信会社が提供するアプリやWebサイトからプロファイルという設定ファイルをダウンロードすることで、インターネット通信などが利用できるようになります。
eSIMは日本ではまだ対応する端末や通信会社が少ないため、利用できる機会が限られているのが実情です。
格安SIMのメリット・デメリットは?
大手携帯キャリアと比較した格安SIMのメリット・デメリットです。
メリット
- 月額料金の安さ
- 大手携帯キャリアと比較すると約半分~3分の1程になる場合が多いです。
- インターネット・通話の品質は大手携帯キャリアと同じ
- インターネット・通話の回線は、MVNOがdocomoやau、SoftBankから借りて提供しているため、品質は大手携帯キャリアと同じです。
- 今の電話番号をそのまま引き継げる
- MNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対応しており、現在使用している電話番号がそのまま使えます。
デメリット
- 通信速度が安定しないことがある
- MVNOは大手携帯キャリアから回線を借りているため回線網が限られており、利用者の多い時間帯では速度に影響が出る場合があります。
- キャリアメールが利用できない
- MVNOの多くはキャリアメール(@docomo.ne.jp、@au.com/@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど)がありません。そのため格安SIMユーザーは基本的にGmailやYahooメールなどのフリーメールを利用することになります。 一部のMVNOでは独自のメールアドレスを付与しているので、アドレスが必要な場合はそういったサービスを提供している格安SIMを選びましょう。
- 初期設定を自分自身で行う必要がある
- SIMカードをスマホに装着する、ネットワークを設定する、という作業を自分自身で行う必要があります。また、大手携帯キャリアのように実店舗を運営している事業者が少ないため、相談やサポートは電話・メールが中心です。
格安SIMカードを実際に使う方法
SIMカードはどこで手に入れられるの?
インターネット
格安SIMを提供するMVNOは大手携帯キャリアに比べて店舗の数が少ないため、インターネットで契約することが多いです。
店舗
店舗を持っているMVNOであれば、店舗で直接契約することでその日のうちに利用することができます。
家電量販店
家電量販店に受付カウンターを設けているMVNOもあります。
また、ビックカメラやヤマダ電機など家電量販店が提供している格安SIMも存在します。
格安SIMへの乗り換えは、MNPで電話番号そのまま!
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用することで、今の電話番号を変えずに他社に乗り換えることが可能です。
MNPの手順
大まかな手順としては3つです。
- 現在ご利用中の通信事業者からMNP転出手続きをして「MNP予約番号」を取得する
- 予約番号の有効期限内に乗り換え先の通信事業者でMNP転入手続きをする
- 転入先の通信事業者から届く新しいSIMカードを端末に挿入し、利用開始の設定をする
1のMNP転出手続きは実店舗の他、オンラインや電話一本でも可能です。ご利用中の通信事業者に確認しましょう。
2の予約番号の有効期限は、予約日を含め「15日」と決められています。
また転入先の事業者によっては期限の残日数が指定されている場合がありますので、予約番号の取得後はなるべく早く転入手続きをしましょう。
MNPにかかる費用
MNP転出手続きには手数料がかかります。金額はご利用の通信事業者によって異なりますが、3,000円前後が多いです。
加えて解約の際には契約解除料が必要な場合があります。また、端末代金を分割で支払っている場合は、残額を支払わなければなりません。
乗り換え時に一時的な金額はかかりますが、毎月の携帯代の節約額と比較すると、数か月で元が取れる場合も多いでしょう。
設定はかんたん!
格安SIMに申し込み後(※)、送られてきたSIMカードを端末に挿し込んで簡単な設定をするだけで利用開始できます。
※MNPの場合、格安SIMの申込前にMNP転入出の手続きが必要です
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iPhoneで格安SIMを始めるときの設定
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事前準備 1SIM取り出しツールの用意
iPhoneの箱の中に入っている金具「SIM取り出しツール」を用意しましょう。
事前準備 2Wi-Fi接続
設定の途中でインターネットに接続するため、Wi-Fi環境が必要になります。
Wi-Fiを新規に設定する場合は、Appleの公式サイトを参考に、Wi-Fiを設定してください。【参考】iPhone、iPad、iPod touchでWi-Fiに接続する
SIMカードをiPhone本体に設定
iPhoneの電源をオフにします。iPhoneの側面にある小さい穴に、SIM取り出しツールを差し込むと、SIMカードのトレイが飛び出してきますので、SIMカードをセットします。
電源をオンにし、「SIMカードが挿入されていません」等のエラーメッセージが表示されなければ、セット完了です。
構成プロファイルのインストール
iPhoneでモバイル通信回線を利用してインターネットをするためには、MVNOが提供している「構成プロファイル」というプログラムを、iPhoneにインストールする必要があります。
Wi-Fiに接続した状態で、ブラウザ(Safari)から、プログラムをインストールします。指定されたURLにアクセスして、画面の指示に従って進むとインストールが完了します。
インストール完了後、Wi-Fiオフの状態でもインターネットができるかを確認します。
ホーム画面から「設定」>「Wi-Fi」をタップして、Wi-Fiをオフにした後、ブラウザでWebサイトにアクセスするなどをして、インターネットに接続されれば、設定完了です。
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Android等で格安SIMを始めるときの設定
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事前準備SIMカードの位置を確認
SIMカードの差し込み位置は端末によって異なりますので、メーカーのサイト等で確認しておきましょう。
本体の側面、または本体の背面の電池パックを取り外した場所にある場合が一般的です。
SIMカードを本体に設定
端末の電源をオフにしてから、SIMカードを本体にセットします。
SIMカードの電源をオンにし、「SIM カードが挿入されていません」等のエラーメッセージが表示されなければ、セット完了です。
APNの設定
4G、LTE、3Gなどのモバイル通信回線を利用してインターネットをするためには、APNという通信の設定を行う必要があります。
設定完了後、Wi-Fiオフの状態でもインターネットができるかを確認します。
「設定」からWi-Fiをオフにした後、ブラウザでWebサイトにアクセスするなどをして、インターネットに接続されれば、設定完了です。
APN(アクセスポイント名)とは、モバイル通信回線を使ってインターネット接続をするための設定です。
APNという名前は英語で“アクセスポイント名”を意味する「Access Point Name」の略です。
SIMロック・SIMフリーについて
SIMロックとは、通信会社によって他の通信会社のSIMカードが利用できないようにかけられている制限のことです。
例えばSIMロックのかかったdocomoの端末では、auやSoftBank、MVNOのSIMカードが利用できないということになります。
また、元々SIMロックのかかっていない端末をSIMフリーと呼び、家電量販店やメーカー直販店などで購入できます。
SIMロック解除とは、SIMロックがかかっていない状態に設定変更することをいいます。
ユーザーの希望に応じSIMロック解除することが義務付けられており、新規で購入する端末はもちろん、中古など過去に購入した端末でSIMロックがかかっている場合でも解除してもらうことが可能になりました。
ただ、SIMロックが解除されていても全ての端末で全てのSIMが使用できるわけではありません。
組み合わせによって利用できないこともありますので、あらかじめ通信会社の動作確認端末情報でご自身の端末が利用したい通信会社で使用できるか確認しておきましょう。
格安SIM選びのポイント
MVNO自体の数が多くそれぞれがしのぎを削っているため、格安SIMのプランは非常に多様なものとなっています。
そんな数あるプランの中からどのような基準で選べば良いのか、判断の軸とするべきポイントをまとめました。
SIMの種類を決める
スマートフォンで通話・ネットを使いたい方は「音声通話SIM」、タブレットやモバイルWi-Fiルーターで使うなど、ネットのみを利用したい方は「データ専用SIM」を選びましょう。
「データ専用SIM」ではオプションで「SMS」に対応できる場合があります。アプリ内でSMS認証が必要なケースもあるため、SMS自体を使用しない場合でも付けておくと便利なことが多いです。
「音声通話SIM」ではSMSはオプションではなく標準対応となります。
通話が多い場合、定額通話プランの選択肢もあります。
格安SIMでも大手通信キャリアと同様に定額通話のプランまたはオプションがあることが多いです。
電話番号による通話を頻繁に行う場合には定額通話プランも検討することで通話料を抑えることができるかもしれません。
通信回線の種類を決める
MVNOは大手携帯キャリアから回線を借りているため、借り先によって「docomo回線」「au回線」「SoftBank回線」と種類が分かれます。
利用する端末がそれぞれのキャリアで購入した場合、購入したキャリアの回線は原則利用できますが、SIMロックがかかっている場合は解除しないと他の回線で利用できません。
SIMロックが解除されている状態(SIMフリー端末など)ではどの回線でも利用可能なので、好きな回線を選ぶことができます。
ただし、組み合わせによっては動作しないものもありますので、利用する端末で動作確認が取れているかを通信会社の動作確認ページで必ず確認しましょう。
利用するデータ量を決める
現在利用しているデータ量を目安に、格安SIMのデータ量を決めます。
現在のデータ量の確認方法としては、端末の機能で確認する方法と各社のサポートページから確認する方法があります。
正確なデータを知りたい場合は、各社のサポートページから確認する方法が確実です。
格安SIMも大手携帯キャリアと同様に毎月使用できるデータ量によってプランが分かれており、現在利用しているデータ量を目安に適したプランを選択すると良いでしょう。
もし決められたデータ量を使い切ったとしても、高速通信できるデータ量を追加することが可能なプランも多いので、データ量が月によって上下する場合は多い月のみデータ量を追加するというのも1つの手法です。
また、契約したデータ量を超過してもSIM自体が利用できなくなるわけではありません。
データ量を超過すると通信速度に大幅に制限がかけられ低速通信になります。
低速でもサービスによっては問題なく利用できますが、動画や画像などを多様するサービスでは読み込み速度の遅さを感じることが多くなるでしょう。
通信速度の目安
利用サービス | 高速 (75Mbps以上・携帯キャリアと同等の速さ) |
低速 (200kbps前後) |
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WEBページ | 問題なく利用可能 | 利用可能。 画像が多いページは遅く感じる |
LINE | 問題なく利用可能 | |
問題なく利用可能 | ||
利用可能。 画像が多いページは遅く感じる |
||
YouTube | 高画質の動画は 再生途中で止まることも |
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地図 | データの表示に時間がかかる |
※価格.com調べ。利用端末・利用条件により異なりますので、内容を保証するものではありません
格安SIMのよくある質問
Q:格安SIMにはどんなサイズがありますか?
A:大きさ順に標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMの3種類のサイズがあります。
Q:SIMフリー / SIMロック とは?
A:SIMロックとは、通信会社によって他の通信会社のSIMカードが利用できないようにかけられている制限のことです。
また、元々SIMロックのかかっていない端末をSIMフリーと呼び、家電量販店やメーカー直販店などで購入できます。
SIMロック解除とは、SIMロックがかかっていない状態に設定変更することをいいます。
Q:メールは利用できますか?
A:利用できます。ただし、携帯キャリアのメールアドレスは利用できません。
Gmailなどのフリーメールを利用するか、SIMの事業者によっては、事業者固有のメールアドレスが発行される場合があります。
Q:LINEなどのスマホアプリは利用できますか?
A:利用できます。
ただし、アプリを新しく利用登録する場合、SMS認証という「電話番号にSMSメッセージを送って認証する」という登録方法をとるアプリが多いため、SMSに対応していないSIMカードを使う場合や、電話番号がない場合は注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか。
今回は「格安SIM」とは何ぞや?と言った記事を紹介しましたが、格安SIMに対する理解は深まったでしょうか。
疑問が解消したら是非、あなたに合うプランを探してみることをオススメします。